新規事業を社内だけで進めようとした。最初は真剣だった。担当者も熱量があった。経営者も本気だった。それでも、気づいたら止まっていた。

なぜか。サボったからではない。意欲が足りなかったからでもない。社内だけで新規事業を進めることには、避けにくい構造的な限界がある。それを知っておくだけで、次の動き方が変わる。

既存事業は、いつも新規事業より「緊急」だ

社内で新規事業を進める人間は、必ずといっていいほど、既存事業も持っている。そして、緊急度の比較で言えば、既存事業は常に勝つ。顧客からの問い合わせ、期末の売上管理、チームメンバーのトラブル——これらはすべて、今日・今週中に対応しなければならない。

新規事業はどうか。来週でもいい。来月でも、大きくは変わらない。緊急ではない。だから、後回しになる。後回しが積み重なる。それが数ヶ月続くと、「止まっている」という状態になる。これは、担当者の時間管理の失敗ではない。二つのものを同じ天秤に乗せれば、重いほうが下がる。それだけのことだ。

評価の物差しが、新規事業に向いていない

多くの企業では、メンバーの評価軸が既存事業の論理で作られている。売上達成率、顧客満足度、ミスの少なさ、計画通りの実行——これらは既存事業では正しい指標だ。

しかし新規事業の初期は、売上がなくて当然だ。仮説が外れることも、成果の一つだ。計画通りに動けないことが、正しい動き方だ。この真逆の評価基準の中で、担当者は宙ぶらりんになる。何をもって「頑張った」と言えるのか、自分でも説明しにくくなる。

そうなると、目に見える成果物を作ることに時間を使うようになる。資料をきれいにする。調査レポートを厚くする。でも、それは前に進んでいることではない。安全地帯にいることだ。

担当者が孤立する

社内で新規事業を担当する人間は、孤独だ。周りは既存事業のメンバーばかりで、新規事業特有の悩みを理解してくれる人間がいない。「仮説が外れた、どう修正すればいいか」「顧客インタビューをしたが、どう解釈すればいいか」——こういった問いを相談できる相手がいない。

一人で考え続けると、思考がループする。同じ問いを何度も繰り返し、答えが出ないまま時間が過ぎる。経験者に5分話せば前に進めることが、一週間経っても動かない、という状況が生まれる。これは、担当者の考える力の問題ではない。相手がいないと思考は進まない。新規事業は、対話しながら進めるものだ。

外部パートナーを入れると、何が変わるか

外部のパートナーを新規事業に入れるというと、「アドバイスをもらう」というイメージを持つ人が多い。でも、実際に機能するのはそこではない。

最初に変わるのは、「締め切り」が生まれることだ。次回の打ち合わせまでに、これをやってくる。その約束があるだけで、動ける。外部パートナーとの定期的な接点が、事業を前に進めるエンジンになる。

次に変わるのは、「視点」だ。社内にいると、見えなくなるものがある。顧客の目線、市場の動き、競合のポジション——外から見ている人間のほうが、当たり前のことを当たり前に言える。その「当たり前」が、詰まっている思考を動かす。そして、孤独が減る。一人で抱えていたものを、分けて持てる。それだけで、担当者の動き方が変わることがある。

タイミングは「詰まってから」では遅い

外部パートナーを入れるタイミングについて、「詰まったら考える」という判断をする経営者が多い。気持ちはわかる。できれば自分たちでやりたい。コストもかかる。

ただ、詰まってからでは、組織の中に「新規事業は止まるもの」という経験が刻まれてしまう。担当者の熱量も落ちている。もう一度立て直すのに、余計なエネルギーが必要になる。最もコストが低いのは、始まりに正しい体制を作ることだ。動き出す前に、外部との協働を設計に組み込んでおく。それが、1年後に止まらないための最も現実的な方法だ。

オルアナが新規事業の伴走に入るとき、最初にやることの一つが「どう進めるかの設計」だ。仮説の立て方、検証の順番、判断のタイミング——これを最初に整えることで、社内の担当者が迷わず動ける状態を作る。自分たちも、SaaSプロダクト「Paqut」を実際に0から作ってきた。何が詰まるかを、体で知っている。

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詰まってから動くより、詰まらない設計を最初に作る。

オルアナは新規事業の立ち上げを、構造ごと設計するところから伴走します。社内だけでは埋めにくい「視点」と「締め切り」を、外部パートナーとして一緒に持ちます。

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