実績や知名度がまだない会社が、大きなシステムの発注を勝ち取るのは難しいものです。信頼は時間をかけて積み上がるもので、目の前の商談には間に合わないからです。しかし、打つ手がないわけではありません。「信頼がないと発注できない理由」を一つずつ分解し、その理由を構造で取り除けば、信頼が積み上がる前でも、提案の中身で選んでもらえます。

システム開発

「思っていたのと違う」を繰り返さないシステム開発があります。

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Olanaの視点:リスク分解

発注をためらわせているのは、「不安」という漠然とした塊ではなく、分解できる個別のリスクだ。塊のままだと「信頼が足りない」で思考が止まる。分解すれば、一つずつ潰せる。これが、本記事で扱う「リスク分解」の考え方です。

信頼は、商談に間に合わない

新規取引で相手が慎重になるのは、当然のことです。特に基幹業務に関わるシステムは、止まれば会社全体が止まります。だからこそ、相手は「この会社は続くのか」「任せて大丈夫か」を気にします。

ここで「信頼してください」と伝えても、話は進みません。信頼は、実績と時間でしか積み上がらないものだからです。そして目の前の商談には、その時間がありません。積み上げを待つ以外の道を、探す必要があります。

「不安」を、個別のリスクに分解する

突破口は、相手の不安を、漠然とした塊のまま受け取らないことにあります。「任せて大丈夫か」を、具体的なリスクに分解する。倒産したらどうなるのか。品質は担保されるのか。途中で投げ出されないか。

塊のままでは「信頼が足りない」で思考が止まりますが、分解すれば、それぞれに対策を当てられます。多くの場合、相手自身も自分の不安をうまく言語化できていません。分解して見せること自体が、相手の助けになります。

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最大のリスクは、たいてい「事業継続」

基幹システムの発注で最も重いのは、作った会社が消えるリスクです。開発元が倒産すれば、システムごと宙に浮き、保守も改修も止まります。

ここに、構造で答えます。インフラは特定の一社に依存しない、広く使われているサービスを選び、それを発注側の会社に直接契約してもらう。ソースコードも引き渡す。こうすれば、開発元が消えても、同じ環境のまま別の会社が保守を引き継げます。近年はAIによるソースコード解析も容易になり、引き継ぎの現実味はさらに増しています。

「うちは潰れません」と主張する代わりに、「潰れても困らない形」を渡す。これが、信頼を主張せずに不安を消す方法です。

契約のタイミングを、後ろへずらす

もう一つのリスクは、契約してから「思っていたものと違う」となることです。これには、契約のタイミングを後ろへずらすことで答えます。

完成度が七割から八割に届くまでは、契約前の状態で作る。相手は動くものを見て、確かめてから発注を決められます。提案書の上の約束ではなく、目の前で動く実物で判断できるため、発注側のリスクは大きく下がります。

この二つで、発注をためらう主要な理由は取り除けます。残るのは、システムの提案そのものの良し悪しです。信頼の有無という土俵から、中身の勝負へと持ち込める。実績が少ない段階で戦う会社にとって、これは有効な一手になります。

よくある質問

Q. 実績が少ないと、やはり受注は難しいのでしょうか?
A. 難しいのは事実です。ただ、相手が慎重になる理由の多くは、分解できる個別のリスクです。理由を一つずつ取り除けば、実績が積み上がる前でも、提案の中身で選ばれる余地が生まれます。

Q. インフラを発注側に直接契約してもらうと、開発側の取り分は減りませんか?
A. 短期的な囲い込みは弱まります。ただ、「開発元が消えても困らない」という安心は、それ以上の価値を持ちます。発注のハードルが下がり、結果として選ばれやすくなります。

Q. 契約前に作ると、無償で終わるリスクはありませんか?
A. ゼロではありません。ただ、完成度の高い実物を見せられれば、そのまま発注につながる確度は高くなります。提案書で競うより、動くもので確かめてもらう方が、双方にとって判断が速く、確実です。

Q. どんな会社でも使える方法ですか?
A. 考え方は業種を問いません。ただし前提として、短期間で動くプロトタイプを提示できる開発体制が要ります。分解したリスクに、実際に構造で答えられることが条件です。

自社が新規取引で選ばれにくいと感じているなら、まず「相手が発注をためらう理由」を三つ書き出してみてください。そのうちのいくつかは、信頼ではなく構造で取り除ける可能性があります。システム化の相談は60秒のシステム化診断から、新規事業開発の全体像を知りたい方はタダで読める新規事業開発ガイドブックもあわせてご覧ください。

発信:株式会社オルアナ(新規事業開発・システム開発・AIエージェント開発・バックオフィス業務支援)