新規事業のアイデアが枯渇した時に試したい発想法3選

「新規事業のアイデアを出せ!」
そう言われたとき、あなたはどこから始めますか?

多くの人が、「何か斬新なアイデアはないか」と、ゼロからひらめきを待とうとします。しかし、アイデアは天から降ってくるものではありません。それは、日々の情報収集や、既存の知識を組み合わせることで生まれるものです。

しかし、頭の中の情報はバラバラで、混沌としています。このままでは、新しいアイデアは生まれません。重要なのは、その情報を体系的に整理し、思考を強制的に「発想モード」に切り替えることです。

このコラムでは、新規事業のアイデアが枯渇した時に試してほしい、思考を整理するための発想法を3つご紹介します。これらのフレームワークを活用することで、あなたは既存の枠にとらわれず、新しいアイデアを量産できるようになります。

1.マンダラート:思考を拡散し、アイデアを深掘りする

マンダラートは、野球のダルビッシュ有選手が目標達成のために活用したことで知られるフレームワークです。曼荼羅(まんだら)のように中心から思考を広げていくため、この名前がつけられました。

これは、たった一つのキーワードから、関連する要素を放射状に広げ、アイデアを深掘りしていく発想法です。

マンダラートの手順
  • 中心にテーマを書く

    • 3×3のマス目を書き、中心に新規事業のテーマを書き込みます。

    • 例: 「フードロス削減」

  • 周囲のマスに「要素」を書き込む

    • 中心のテーマを構成する8つの要素を、周囲のマスに書き出します。

    • 例: 「テクノロジー」「物流」「消費者」「飲食店」「小売店」「生産者」「自治体」「教育」

  • それぞれの要素を深掘りする

    • 次に、それぞれの要素を中心とした3×3のマスを新たに作り、具体的なアイデアや課題を8つずつ書き込んでいきます。

    • 例: 「テクノロジー」のマスでは、「AI」「ブロックチェーン」「IoTセンサー」「ドローン」などを書き出す。

なぜマンダラートが有効なのか?
  • 思考の抜け漏れを防ぐ
    中心から放射状に思考を広げることで、アイデアの抜け漏れを防ぎ、多角的な視点からテーマを捉えることができます。

  • 抽象から具体へ
    抽象的なテーマを、具体的な要素やアイデアに落とし込むことができます。

  • 既存のアイデアを深掘りする
    すでにあるアイデアも、別の切り口から見直すことで、新しい可能性を発見できます。

2.ロジックツリー:課題を分解し、解決策を見つける

ロジックツリーは、複雑な課題を論理的に分解し、根本的な原因や解決策を構造化して見つけるためのフレームワークです。新規事業においては、顧客が抱える課題を深掘りし、その課題を解決するためのアイデアを見つけるのに役立ちます。

ロジックツリーの手順
  1. 課題を一番上に書く:

    • ツリーの根元(一番上)に、解決したい課題を書き込みます。

    • 例: 「顧客がサービスを継続利用してくれない」

  2. 課題を「なぜ?」で分解する:

    • 「なぜ?」と問いかけながら、課題を構成する要素をさらに分解していきます。

    • 例: 「なぜ継続利用してくれないのか?」→「使い方がわからない」「飽きてしまった」「競合サービスに乗り換えた」

  3. 要素をさらに分解する:

    • 分解した要素を、さらに「なぜ?」で深掘りしていきます。

    • 例: 「使い方がわからない」→「チュートリアルが不親切」「機能が多すぎる」「UIが複雑」

なぜロジックツリーが有効なのか?
  • 課題の本質を見抜く
    表面的な課題だけでなく、その奥に隠された根本的な原因を発見できます。

  • 解決策を構造化する
    分解された原因一つひとつに対して、具体的な解決策を考えることで、漏れなく対策を立てることができます。

  • チームで議論できる
    複雑な課題も、ツリーとして可視化することで、チーム全員が同じ構造を共有し、議論をスムーズに進めることができます。

3.6W2H:アイデアを具体化し、実行可能な計画に変える

素晴らしいアイデアが生まれても、それが漠然としたままだと、事業として実行に移すことはできません。6W2H(Who, What, When, Where, Why, Why, How, How much)は、アイデアを具体的な計画へと落とし込むためのチェックリストです。

6W2Hの項目
  • Why(なぜ?)
    なぜこの事業をやるのか?(事業の目的、ビジョン)

  • What(何を?)
    どんな製品・サービスを提供するのか?

  • Who(誰に?)
    誰をターゲットにするのか?

  • When(いつ?)
    いつから始めるのか?(スケジュール、ロードマップ)

  • Where(どこで?)
    どこで提供するのか?(場所、チャネル)

  • Which(どちらを?)
    どの方法を選ぶのか?(A案とB案の比較)

  • How(どのように?)
    どのように提供するのか?(具体的な提供方法)

  • How much(いくらで?)
    費用はいくらかかるのか?(コスト、価格設定)

なぜ6W2Hが有効なのか?
  • アイデアを具体化する
    漠然としていたアイデアを、具体的なアクションプランに落とし込むことができます。

  • 計画の抜け漏れを防ぐ
    ビジネスの成功に必要な8つの要素をチェックすることで、計画の抜け漏れを防ぎ、リスクを低減できます。

  • チームの共通認識を作る
    チームメンバー全員が同じフレームワークを使って議論することで、認識のズレを防ぎ、スムーズな事業推進が可能になります。

最後に:思考のフレームワークは「道具」である

今回ご紹介した3つのフレームワークは、アイデアを生み出すための「道具」です。道具は、使う人のスキルによってその効果が大きく変わります。

重要なのは、これらのフレームワークを一度使って終わりにするのではなく、日々の思考の習慣に取り入れることです。

  • ニュースを見たとき、マンダラートで関連する要素を広げてみる。

  • 日々の仕事で問題に直面したとき、ロジックツリーで根本原因を分解してみる。

  • 思いついたアイデアを、6W2Hで具体的に落とし込んでみる。

この習慣を身につけることで、あなたはアイデアを量産する思考力を獲得できます。

さあ、アイデアが枯渇したときこそ、あなたの頭の中にある情報を整理し、新しい事業の可能性を切り拓きましょう。

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